もの忘れ外来
もの忘れ外来とは
「もの忘れ外来」とは、記憶障害や認知症などの症状が現れる患者さんを対象とした外来診療です。主に高齢者に見られる問題であり、日常生活において記憶力や認知機能に影響を及ぼす症状が進行することがあります。もの忘れ外来では、神経に精通した医師が患者さんの症状や状態を確認し、必要な検査や診断を行います。
クリニック田島の、もの忘れ外来では、認知症の早期発見や適切なケアを通じて、患者さんの生活の質を向上させることを目指しています。「最近、もの忘れがある」「年齢的に認知症が心配になってきた」「家族が認知症である」などお悩みがある方は一度、当院の外来をご受診ください。24時間webから予約を受け付けております。
認知症簡易チェックテスト
自分は大丈夫と思っていても実は認知症の初期症状がある可能性があります。認知症の簡易チェックをしましょう。下記の項目にいくつか当てはまるか数えてみてください!
- 「あれ」や「それ」といった代名詞を使って話すことが増えた
- 数分前に言ったことと同じ内容を何度も聞いたり、話したりする
- 財布、印鑑など、自分の大切なものが見つからなくなり、身近な人を疑う
- 趣味や習い事に興味を示さなくなる、1日中ぼーっとしている日が増えた
- 朝の身支度や料理の手順にまごつき、以前よりも時間がかかるようになる
- テレビのリモコンなど頻繁に利用する電化製品の使い方が分からなくなる
- 真冬に半袖を着たり、真夏に長袖を着る
- 外出した先から帰れなくなり、歩き回る
- 実際にはいない虫や小動物、子供などが部屋にいると訴える
- 寝てるかと思ったら急に奇声を発したり、手足を異常に動かすことがある
- 小刻み歩行になる
- うまく物を飲み込めない
- 排尿トラブル(頻尿など)、排便トラブル(便秘など)が増えた
- ささいな事で気分の落ち込みが激しくなった
- 「こんにちは」と声をかけただけで涙を流したり、些細なことで怒りの歯止めが効かなくなる
- 周囲の人に気配りができなくなる. 本能や気分の赴くままふるまう、過ちを指摘されても、悪気なく同じ行為を繰り返す
項目のチェックが1~4個以上の方、認知症危険度「中」です。認知症の早期発見ができるよう、定期的に神経心理学検査を受けるようにしましょう。当院は認知症の検査に対応しております。
また、項目のチェックが5個以上 の方は、認知症危険度「高」です。認知症の疑いがあります。早急に認知症の検査を実施しましょう。認知症は早期発見・早期診断が大事です。まず医師の診察を受けましょう。
クリニック田島もの忘れ外来の特徴
①脳神経内科医が在籍
クリニック田島では、脳神経内科医が在籍しております。脳神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。体を動かしたり、感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときにこのような病気を疑います。症状としてはしびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、ひきつけ、むせ、しゃべりにくい、ものが二重にみえる、頭痛、かってに手足や体が動いてしまう、ものわすれ、意識障害などたくさんあります。まず、全身をみることが出来る脳神経内科でどこの病気であるかを見極めることが大切です。
②CT検査が自院で対応可能
認知症の検査には神経心理学的検査と脳画像検査の2種類があります。一般的な内科クリニックでは、CTを完備していないので、神経心理学的検査のみで判断せざるおえないですが、当院ではCT検査も使用して診断いたします。
③病院と連携
認知症が進んでいる場合やMRIを使用する精密検査が必要な場合などは、提携病院へご紹介いたしますので、ご安心ください。
認知症の種類
認知症は、その原因や症状の違いによっていくつかの種類に分類されます。
以下に代表的な認知症の種類を紹介します。
アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も多いタイプです。アルツハイマー型認知症は、アミロイドβなどの異常はタンパク質が蓄積して、脳内の神経細胞が壊れてしまうことで、認知機能の衰えが生じます。初期症状には、記憶力の低下や物忘れ、道に迷うことなどが含まれます。この疾患はゆっくりと進行し、最終的には日常生活での自立が難しくなることがあります。また、認知機能が低下すると身体疾患も増加してしまうことが知られています。
脳血管性認知症
脳血管性認知症は、脳内の神経細胞が血管の狭窄や詰まりにより死滅することで、認知機能の低下を引き起こします。この病態は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が主な原因とされ、予防には生活習慣の改善が重要です。初期症状には、言葉の理解や表現の困難、運動機能の低下、感覚の鈍化などが見られます。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、脳内に異常な「レビー小体」と呼ばれるタンパク質が蓄積されることによって、認知機能の低下が引き起こされます。初期症状には、幻覚や錯覚、反応の鈍さ、筋肉の硬直感などが含まれます。この疾患は進行が速く、転倒などの合併症が多くみられることがあります。
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞に損傷が生じることで、認知機能の低下が発生します。この疾患は主に行動や性格に変化が現れ、認知機能の減退に加えて、言葉の理解や表現、記憶力などにも影響を受けることがあります。
軽度認知障害(MCI)
軽度認知障害(MCI: Mild Cognitive Impairment)は、認知症の前段階に位置する状態です。認知症ではないものの神経心理学的検査をするとわずかに認知機能の低下がみられ、将来的に認知症に進行する可能性がある状態です。この状態では、記憶力や注意力の低下、予定の管理や家事、社会的な相互作用に苦労することがありますが、それほど重度ではなく、独立した生活を維持できることが多いです。
認知症の原因
脳の正常な機能や神経細胞の通信が妨げられることで、認知機能(思考、判断、記憶など)に問題が生じます。認知症の主な原因としては以下のような要因が考えられています。
▼アルツハイマー病
脳内にアミロイドβなどの異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞がダメージを受けることで起こります。主に高齢者に見られます。
▼脳血管性疾患
脳の血管の問題により、神経細胞が酸素や栄養を受けられなくなることで発生します。高血圧や脳梗塞が関与することがあります。
▼レビー小体型認知症
脳内に「レビー小体」と呼ばれる異常なタンパク質が蓄積することで引き起こされます。主に幻覚や運動症状が現れます。
▼前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉が損傷を受けることで、行動や性格に変化が現れる状態です。
▼脳外傷や外部要因
脳に外傷が生じることや、中毒、感染症、代謝異常などが原因となることもあります。
▼遺伝要因
一部の認知症は遺伝的な要因によってリスクが影響されることがあります。
これらの原因に加えて、生活習慣や遺伝、環境要因なども認知症の発症に影響を与える可能性があります。ただし、認知症の原因は個々の症例によって異なるため、正確な診断と治療が必要です。
認知症の検査
認知症の検査は、主に以下の2つに分類されます。
神経心理学的検査
医師や看護師からの質問に答える形式が一般的です。検査手順は簡易的ですが、患者の回答によって認知機能の状態をおおまかに評価できます。しかし、患者によっては、プレッシャーなどで正確な結果が得られないこともあります。回答が思い出せなかったりできなかった場合、患者の気分が沈んでしまうことがあるため、同伴者のサポートが重要です。
脳画像検査
脳の状態や活動を物理的に観察する検査です。主な手法にはCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)、SPECT(単一光子放出型コンピュータ断層撮影)などがあります。これにより、脳の構造や機能に関する情報を得ることができます。
代表的な神経心理学的検査と脳画像検査には以下の5種類があります。
- 改定長谷川式認知症スケール(HDS-R)
- ミニメンタルステート検査(MMSE)
- 時計描写テスト(CDT)
- 脳の状態をみる検査(CT、MRI)
- 脳の働きをみる検査(SPECT)
これらの検査を通じて、認知症の診断が行われます。
認知症の治療法
クリニック田島では、検査結果に基づいて、内服・パッチ製剤・生活支援など適切な治療を選択します。治療の進行は当院の脳神経内科専門医のドクターや連携している病院とも相談して進めていきますのでご安心ください。認知症は早期発見・早期治療を行うことで、進行を遅らせることが可能です。認知症が気になる方、指摘された方は、下記より外来予約いただけますと幸いです。