メニュー

糖尿病の種類

糖尿病には、発症の原因・機序によっていくつかの異なるタイプに分けられます。どのタイプの糖尿病なのかを知ることは、治療法や必要な検査を選択するにあたりとても重要です。

糖尿病の方で、ご自身がどのタイプの糖尿病かご存じない方は、ぜひ主治医に確認してみてください。

1型糖尿病

体の免疫システムが誤って膵臓のインスリンを産生するβ細胞を攻撃し、破壊することでインスリンを十分に分泌できなくなることが主な原因です。遺伝因子に、何らかの誘因・環境因子が加わって起こるといわれています。他の免疫疾患(甲状腺疾患など)の合併が少なくないのも特徴です。

  • 発症年齢:小児~思春期が多いですが、中高年でも発症することがあります。
  • 発症様式:急性、劇症、緩徐進行の3つのタイプに分類されます。
  • 家族歴:家系内の糖尿病は、2型糖尿病の場合より少ないといわれています。
  • 肥満との関連:肥満とは関係ありません。
  • 治療法:通常は絶対的インスリン欠乏に至るため、からだの外部からインスリン補充を行うインスリン治療が必須です。

2型糖尿病

血液中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られていない状態(インスリン抵抗性)もしくはインスリンが十分に分泌できていない状態(インスリン分泌の低下)、またはその両方が起こっている状態です。複数の遺伝因子に、過食(特に高脂肪食)、運動不足などの環境因子が加わって、インスリン作用不足が生じることで発症します。

  • 発症年齢:40歳以上に多いですが、近年は若年発症も増加しています。
  • 家族歴:家系血縁者にしばしば糖尿病の人がいます。
  • 肥満との関連:肥満または過去に肥満があった人が多いです。
  • 治療法:食事・運動療法による生活習慣の改善を基本に、飲み薬やインスリン治療などの注射治療を含めた薬物療法を併用するなど様々な治療があります。

妊娠糖尿病

妊娠中に発見される糖代謝の異常で、妊娠中のホルモンの変化によって引き起こされます。

母体や児の合併症(児の過剰発育や周産期のリスク増加など)を予防するために糖尿病とは別に厳しい診断基準および血糖コントロールの目標値が設定されています。

  • 診断基準:75gOGTTにおいて次の基準の1点を満たした場合に診断します。
    1. 空腹時血糖値が92 mg/dL以上
    2. 1時間値 180 mg/dL以上
    3. 2時間値 153 mg/dL以上
  • 血糖コントロールの目標値:
    1. 空腹時血糖値が95 mg/dL未満
    2. 1時間値 140 mg/dL未満
    3. 2時間値 120 mg/dL未満
    4. HbA1c 6.0~6.5 %未満
  • 治療法:食事・運動療法で改善困難な場合は、基本的に飲み薬ではなく、インスリン治療になります。

多くの場合、出産後には血糖値が正常に戻りますが、一定期間後に糖尿病を発症するリスクが高いことが知られています。そのため、出産後も定期的な血糖値チェックと健康的な生活習慣を維持することが大切です。

その他の特定の機序、疾患によるもの

①遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの
②他の疾患、条件に伴うもの
  • 膵臓の病気:膵炎、外傷/膵摘出後、膵腫瘍(癌や嚢胞性疾患)、ヘモクロマトーシスなど
  • 内分泌の病気:クッシング症候群、先端巨大症、褐色細胞腫、グルカゴノーマ、原発性アルドステロン症、甲状腺機能亢進症、ソマトスタチノーマなど
  • 肝臓の病気:慢性肝炎、肝硬変など
  • 薬剤や化学物質によるもの:ステロイド、インターフェロン、免疫チェックポイント阻害薬など
  • 感染症:先天性風疹、サイトメガロウイルス、エプスタイン-バーウイルス、コクサッキーBウイルス、ムンプスウイルスなど
  • 免疫機序によるまれな病態:インスリン受容体抗体、インスリン自己免疫症候群など
  • その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことが多いもの:ダウン症、ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、筋強直性ジストロフィーなど

糖尿病関連ページ

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME