高尿酸血症(痛風)
その症状、痛風かも!?
- 足の付け根が痛い
- 足首や足の甲、ひざなどが赤く腫れている
- 熱を持っている
- 関節などに激痛が走る
上記のような症状は「痛風」かもしれません!
痛風とは
痛風は、高尿酸血症という状態が原因で、関節に炎症を引き起こす疾患です。
尿酸は通常、体内の細胞の代謝産物として生成されますが、体内の尿酸の量が増えすぎると、結晶が関節に蓄積し、炎症と痛みを引き起こすことがあります。
痛風は一般的に足の親指の付け根に発症することが多いですが、他の関節にも影響を及ぼすことがあります。
痛風チェックテスト
- 大食いで肥満である。
- アルコールを大量に飲む。
- 肉類を食べることが多い。
- ストレスが多い。
- 運動不足である。
- 腎臓に障害がある。
- 激しい運動をする。
- 血縁者に痛風の人がいる。
上記の中で3つ以上に該当している方は痛風予備軍である可能性が高いです。
痛風は症状がでると歩くのもつらい痛みになります。そうなる前に治療をしましょう。
高尿酸血症と痛風の違い
高尿酸血症は血液中の尿酸濃度が高い状態を指し、症状を引き起こさないことがあります。
一方、痛風は高尿酸血症が原因で尿酸結晶が関節に沈着し、急性の関節炎を引き起こす疾患です。
高尿酸血症(Hyperuricemia)
高尿酸血症は、血液中の尿酸の濃度が正常値を超える状態を指します。
尿酸は通常、体内の細胞の代謝産物として生成されますが、尿酸の排泄が不十分であるか、生成が過剰になることによって高尿酸血症が発生します。
高尿酸血症自体は通常無症状ですが、尿酸の蓄積が続くと、尿酸結晶が関節や尿路に沈着するリスクが高まります。
痛風(Gout)
痛風は、高尿酸血症によって関節に尿酸結晶が蓄積し、炎症を引き起こす疾患です。
尿酸結晶が関節に沈着することで、急性の関節炎(痛風発作)を引き起こします。
一般的に足の親指の付け根に発症することが多いですが、他の関節にも影響を及ぼすことがあります。
痛風の発作は突然現れ、関節が腫れ、赤くなり、激しい痛みを伴います。
発作が終わると、症状は自然に消失することがありますが、再発することもあります。
痛風は高尿酸血症が原因であるため、高尿酸血症が継続すると、痛風の発作が再び起こるリスクが高まります。
高尿酸血症を放置すると
高尿酸血症を放置すると、以下のような問題が発生します。
痛風発作
高尿酸血症によって尿酸が関節に結晶として蓄積し、痛風発作を引き起こすことがあります。
痛風発作は急性の激しい関節炎を伴い、通常は足の親指の付け根に発生します。
症状には腫れ、赤み、非常に強い痛みが含まれます。
痛風性関節炎
高尿酸血症によって尿酸結晶が関節に蓄積することで、慢性的な痛風性関節炎が発展することがあります。
これにより、関節の炎症や損傷が進行し、関節の機能に影響を及ぼす可能性があります。
尿酸結石
尿酸結晶が尿路に蓄積することで、尿酸結石が形成される可能性があります。
尿酸結石は尿路を閉塞することがあり、腎臓や尿管の損傷を引き起こすことがあります。
腎機能障害
高尿酸血症が長期間続くと、腎臓にダメージを与える可能性があります。
尿酸が腎臓で過剰に濃縮されることで、腎臓の機能が低下するリスクがあります。
これらは、高尿酸血症を放置した場合に発生する可能性があるものですが、発症までには個人差があります。
高尿酸血症が疑われる場合は、適切な診断と治療を受けることが大切です。
また、健康な生活スタイルや食事療法の改善などを通じて、高尿酸血症を予防・管理することが重要です。
当院では、生活習慣の改善や痛風に効果のあるお薬をスピード処方することが可能です。
高尿酸血症の原因
痛風は以下のような要因がリスクとして関連していることが知られています。
遺伝
家族歴による遺伝的な要因が影響を与えることがあります。
食生活
高プリン食品(内臓やビールなど)やフラクトース含有飲料の摂取が多いと、尿酸値が上昇しやすくなります。
肥満
過体重や肥満の状態では、尿酸の排泄が妨げられるため、痛風のリスクが高まります。
アルコール摂取
過度のアルコール摂取も尿酸値の上昇を引き起こす可能性があります。
激しい運動
激しい運動で大量の汗をかいたときは、体内の尿酸値が一時的に上昇します。
このときに水分を十分に補給しないと、血液中の尿酸濃度が上昇したままになり、痛風につながります。
高尿酸血症の治療法
高尿酸血症の治療は、尿酸値を正常範囲に戻すことと、尿酸結晶の蓄積を防ぐことを目的としています。
一般的な治療法として以下のような方法があります。
薬物療法
尿酸排泄促進剤
尿酸を腎臓から排泄するための薬物です。
ドチヌラド、プロベネシドやベンズブロマロンが一般的に使用されます。
尿酸生成抑制剤
体内で尿酸の生成を抑制する薬物です。
フェブキソスタット、アロプリノールがよく使われます。
痛風発作の治療
痛風発作が発生した場合、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、ステロイドなどが炎症を抑えるために使用されることがあります。
食事療法
プリン摂取の制限
プリンは尿酸の元となる物質ですので、プリンが多く含まれる食品(内臓やビールなど)を制限することが重要です。
アルコールの制限
アルコールの過剰摂取は尿酸値を上昇させる可能性があるため、アルコールの摂取を制限することが勧められます。
水分摂取の増加
十分な水分摂取によって尿酸を希釈し、尿酸の排泄を促進します。
体重管理
体重管理
過体重や肥満は高尿酸血症のリスクを増加させることが知られていますので、体重を管理することが重要です。
尿酸値や他の慢性疾患との兼ね合いでベストな治療方法は異なります。
高尿酸血症の治療には個々の病態や体質に合わせたアプローチが必要です。
高尿酸血症を疑ったらまずは医療機関を受診しましょう。
痛風かもと思ったら
痛風の診断は、症状や体格検査、血液検査、および尿酸値の測定によって行われます。
痛風の治療には、急性発作の際には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルヒチンが使用されることがあります。
また、長期的な管理では、尿酸値を下げるための特定の薬物や生活スタイルの改善が推奨される場合があります。
クリニック田島ではこれまで多くの痛風患者を治療しているため、各々の病態にあった適切な治療が可能です。